原石からカットまで、石はどう変わるのか
Coral Rain Valley 制作ノート —
店頭に並ぶ宝石は、採掘された状態とはまったく異なる姿をしています。原石が研磨・カットされてジュエリーになるまでの工程は、石の種類によって大きく変わります。工房での実際の作業をもとに、その流れを説明します。
原石を選ぶ基準
原石の状態では、石の色や透明度を正確に判断するのが難しいことがあります。表面が風化していたり、他の鉱物と混じっていたりするからです。工房では、石を割ったり、水で濡らしたりして内部の色を確認してから仕入れを決めます。
選ぶ基準は、色の均一さよりも個性の面白さです。完全に均一な色の石より、内部に濃淡や模様がある石の方が、カット後に表情が出ることが多いです。
カボションカットを選ぶ理由
カットの方法には、ファセットカット(多面体に削る)とカボションカット(丸みのある凸面に研磨する)があります。工房では主にカボションカットを使います。
ファセットカットは光の反射を最大化しますが、石の内部の模様や色の動きは見えにくくなることがあります。カボションカットは石の表面を通して内部が見えるため、ラブラドライトのラブラドレッセンスやムーンストーンのアデュラレッセンスのような光学現象が際立ちます。石の個性を残したいという考えから、この選択が多くなっています。
研磨の段階と使う道具
カボションカットの研磨は、粗い番手のダイヤモンドホイールから始め、徐々に細かい番手に移行します。工房では80番から始め、最終的に14000番のホイールで仕上げます。各段階で前の傷を消してから次に進みます。
最後の仕上げはセリウムオキサイドという研磨剤を使い、フェルトのバフで磨きます。この段階で石の表面に光沢が出ます。研磨が終わった石を金属に合わせてみると、原石の状態とはまったく別の顔を見せます。制作の流れや期間については、よくある質問のページにまとめています。
原石から仕上げまでの工程は、石によって数時間から数日かかることがあります。その手間が、制作期間と、作品ごとのお見積りに関わってきます。